2020年に新型コロナが流行し、医療従事者が不足するなか、日本看護協会は会見を行い「潜在看護師に復帰を促す」方向で考えていると話したことがニュースになりました。
潜在看護師というのは、看護師免許を持っているものの、育児や介護、夫の転勤などの理由で現在は看護の仕事から離れている人たちのことです。実際、看護協会が促したのにもかかわらず、2年以上たった現在、職場復帰した潜在看護師はそれほど多くありません。
潜在看護師が復帰しない理由の1つは、育児や介護をするという必要があって、離職した人が多いからです。
子供を保育園に預けることが難しい、あるいは介護を他の人に任せることが難しいという状況であれば、激務で長時間勤務があたりまえの看護師には復帰しづらいでしょう。たとえ子供を保育園に預けられても、子供の発熱などでお迎えが必要になっても、看護師の仕事は途中で早退したり、急に休んだりすることが難しいです。
日本の看護師は勤務時間が長いことで知られています。
たとえば、ノルウェーやデンマークなどは半数以上の看護師は、1週間の勤務時間35時間未満です。
ところが、日本は看護師の97%が週に35時間以上勤務で働いています。日本の病院では、8時間以上の夜勤、交代勤務、超過勤務をいとわない人を雇用する現状があり、育児や介護を担う潜在看護師は復帰しづらく、そのため慢性的に人手不足になる職場が多くなるという負のスパイラルに陥っています。
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